朝イチのメールの返信をしなくてはいけないね

ある日、僕が何か素敵な夢から目を覚ますと
自分がベッドの中で、大きな植物に変わっていた

『これはいったい、どうしたことだろうか?』

僕はガチガチに堅くなった身体をゆっくりと持ち上げる
バランスを取りながら、そっとその場に立ち上がる
よろけながらもなんとか鏡まで歩いて自分の姿を見る
硬い幹と、幾本もの枝があり、足から出るに根っ子を確認する
僕は何やら人間の大きさの樹木のような存在になりました

一人暮らしの僕には、この変身を驚く母も妹もいない
『ああ、朝イチのメールの返信をしなくてはいけないね』
日々の習慣でパソコンの前に座り、キーボードを打ってみるけど
小さく枝分かれするこの指では上手くメールが書けなかった
思考がどんどん薄れていき、仕事がどうでも良くなってくる

まだわずかに動く体で、僕は自分の居場所を探し始める
『そうか大地が必要だ。僕が生きていく為の場所を探そう』
僕はそのままの格好で、何も持たずに、這うように外に出た
きつい坂道をズルズルと進みながら、裏の山を目指した
身体から、また、1本、1本、新しい枝が生えてくる感触がする

数時間後、やっとの思いで木々の生い茂る丘の上にたどり着く
『ああ、そうだね。太陽を一杯浴びれる場所がいいな』
最後の方に思ったのはそんな事だったような気がします
僕は豊穣な生命力とそして生産力を手に入れたのかもしれない
ユグドラシル(宇宙樹)の1部になる。世界を体現する巨大な木

光合成をしよう。この太陽を体いっぱいに浴びて光合成をしよう
大地に根をはって此処から貴方の事を見ていようと願う
青い空が隠れる位に、この枝を広げよう。それは貴方を守る為
春に無数の葉っぱを開いて、夏に美しい花を咲かせよう
秋に美味しい果実を実らせて、冬は静かに眠りにつこう

貴方が悲しい時には、僕が居るこの場所に来てください
この枝を折って持ち帰り、貴方の部屋に飾ってください
そして震える心に、ほんの少しの余裕が出来たとしたら
僕の存在を感じて『ホッ』としてくれたら幸せに思います
いつか貴方にとっての大きな植物ような存在になりたい

いつか貴方にとっての大きな植物ような存在になりたい、、、

先日会社の送別会で新たな出会いがあった。

送別会なのに新たな出会いと言うのも変な話だが、懇親会的なノリで、普段交流のない部署の方と話す事が出来た。

そんな中、席を移った時隣になった初めて話す女性にイキナリ「噂はかねがね…」と話しかけられた。

どうやら仲のいいメンバーでよくカラオケに行っている事を聞いていたらしい。
「上手いらしいですね」なんてお世辞を言ってくれたり「仕事の評価じゃないんだね(笑)」なんて話していた。

とても初めて話す人とは思えないぐらい盛り上がっていた時、ふと気付いたのは、やたらとリアクションが良かったり、興味有るのかそんな事なんて質大人げなく羨ましぃー
小学生に負けた

問をされたりで、俺の事もしや…と邪推していた。

ただ、それはこの女性がコミュ力が高いだけなんだろうな…とか、初めてだからこそ気を遣っているんだろうな…とか、気を巡らせている内に、会は終わりを告げた。

結果、終始盛り上がって話したものの連絡先を交わす事をしなかった。でもこんな日記に書く程、その事を後悔している。

恋愛脳とは恐ろしい。